猫の額ほどの話 

猫好きshinnriko(シンリー)です。昨年より乳がん治療中です。術前抗がん剤を経て手術療法、そして再手術。転居後、大学病院で放射線治療を終え、1年3ヶ月のハーセプチン+タキソール治療。最近(2014年初夏)転移と思われていた肺の一部切除しました。

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時を越えた人…1人目の話(難病、計画停電)

時を越えた人、1人目の話です。
この世から次の世へ行かれた方々の話です。

昨日ニュースを見ていたら、計画停電に関する基本方針が発表になりました。
何気なく見ていたニュースでしたが、すぐに背中が凍りつく思いがしました。

今年の正月、TS君と久しぶりにお会いしました。
TS君が学生の頃から知っていましたので、かれこれ四半世紀に渡るお付き合いになります。
我が家の息子も小さい頃によく可愛がってもらいました。
今でも毎年必ず年賀状をくれる律儀な男性です。

彼の弟のN君は難病である筋ジストロフィーを患っていました。
正式名を進行性筋ジストロフィー(デュシャンヌ型)というのだそうです。
筋肉が次第に衰えていく病気です。
私がN君に会ったのは12年ほど前になります。
ご自宅に伺いましたので、お母様ともお会いしています。

N君はちょうど仕事中でした。
大手IT企業に就職し、自宅でパソコンを使いながらデータを入力する仕事でした。
その頃から自分で呼吸をするのが厳しくなりましたので、呼吸器を使用しながらの生活でした。
手足の筋肉は動いてはくれませんでしたので、口に棒をくわえてパソコンに入力をしていました。
私がお母様とお話をしていると、仕事を中断して話に加わってくれました。
小学生の頃の発病のこと、中学高校、楽しかった大学生活のこと。
ゆっくりと話してくれました。

彼が生きていくにはお母様の存在なしには語れないものがあります。
一日に何回も小さな体でN君をおぶわなければなりません。
「私も代わりましょう」と申し上げましたが、
「おぶうのにはコツがいるので他の人にはできないのよ」
「この頃はNも体重が減ってきておぶいやすくなりました」とおっしゃる。
人には語れない多くのご苦労もこのお母様はおぶっていらっしゃる。

その後、何回かお会いしたと思いますが、彼には支援者の人が多くいましたし、素晴らしい活動をされていましたので、すっかり安心し、昔から友人だった彼の兄との年賀状の交換をするのみとなってしまいました。

昨年の暮れ、喪中ハガキをTS君からいただきました。
N君が昨年の5月に亡くなったという知らせでした。

今年の正月にTS君にお会いしましたので、理由を聞くと、昨年の大地震の後の計画停電が影響したと話されました。

確かに十数年前から呼吸器を付けていましたので、電気が来なくなるとダメージは大きいに違いありません。
12年前にお会いした時ですら、私と話すしばらくの間は呼吸器をはずしても大丈夫でしたが、しばらくするとマスクを口に持っていかれていました。
それから随分年月が経っています。
良くなることはとても稀な病気です。
たぶんその頃より症状は重くなっていたはずです。

計画停電のさ中苦しむことはなかったのでしょうか。
もちろん充電器は備えていたでしょうが、突如停電という時もあったにちがいありません。
充電されたより長い間の停電だったのかもしれません。
考えるととても辛くなります。
大地震があってから2ヵ月後に亡くなりました。

本年も各地で計画停電が予定されているそうです。
N君のように自宅で人工呼吸器を付けないと生活できない人はとても多いはずです。

思わず、叫んでしまいました。
「計画停電なんてしないで!」
原発如何が問われていますが、現在絶対に電気が必要な人がいるのです。
事故を起こしていないものまで停めなくてもよろしいのではないかと思ってしまいます。

偏った思想主義者の語る言葉は耳に心地よく最に聞こえます。
でも、現実にこうやって電気がなくって被害に遭う人だっています。

兄のTS君のハガキには弟を偲ぶ言葉が書かれていました。

本年5月に、弟Nが天国に帰りました。
四十年という短いあいだでしたが、
難病の中、充実したすばらしい人生を生き切ってくれました。
これまで励ましてくださり、ありがとうございました。
Nの心はこの世でもまだまだ生きていきます。
これからもよろしくお願い申し上げます。

兄の精一杯の言葉だったのでしょう。

N君のホームページをどうぞご覧ください(すぐ下のバーナーをクリックしてください)。




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