猫の額ほどの話 

猫好きshinnriko(シンリー)です。昨年より乳がん治療中です。術前抗がん剤を経て手術療法、そして再手術。転居後、大学病院で放射線治療を終え、1年3ヶ月のハーセプチン+タキソール治療。最近(2014年初夏)転移と思われていた肺の一部切除しました。

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16人に1人・・・5人目の話

16人に1人、女性の乳がんになる人の割合です。

本日は16人に1人の5人目の話を書きます。

私が知り合った乳がんの女性達の話です。

私は一昨年の秋に九州のある病院に急性虫垂炎で入院しました。
症状は思ったより酷く、他の虫垂炎の患者より手術の傷跡は大きくなり、当然入院期間も長くなりました。

手術後は個室でしたが、差額ベッドを希望していたわけでなく、生憎他の部屋が一杯だったこともあり、個室に2日ばかり入っていました。
当然、個室希望の患者さんが入院するとその後は相部屋の病室に変わらざるえません。

入院はお産後初めてのことでした。
身内でもない他の人と僅かの間とはいえ、生活を共にするわけです。
それも病人という常ならざる体調で一緒にいる訳ですから、はたして私の性格で大丈夫なのだろうかと心配しました。

乳腺外科が有名な病院で、入院中入れ替わりはありましたが、外科病棟の6人部屋のその病室は3人が乳がん、後の2人が他のガンを患っている人でした。

私が部屋を替わったその日、乳がんの手術を終えた人が隣で寝ていました。
部屋中に響く大きなイビキに圧倒され、とうとうその夜はほとんど寝れませんでした。

彼女以外の人たちは一日中かったるく眠い目をショボショボしていたのですが、当の本人は朝になるとケロリとしたものです。
それでも手術した方の腕は力が入らず、片腕で何でもしなければなりません。
隣り合わせた縁もあるのでしょうから、食事やお茶を持っていってあげたり、軽い用事をしてあげてるうちに、少しずつ仲がよくなっていき、彼女の乳がんの話を聞くことになりました。

彼女は乳房全摘手術でした。
ガンの大きさがどのくらいだったのか、聞きそびれましたが、乳房温存手術も選択できたということです。
ですが、彼女は全摘を選択しました。
「今後の転移が怖かった」と言うのです。
「この方がすっきりした」と言うのです。

潔い選択なのか、臆病な選択なのか全く相反する感情が下した結論です。

私は、その話を聞きながら、乳房だけは取られたくはない、乳がんにだけはなりたくない。
と恐れました。
彼女の戸惑いながらの笑顔を前にして、裏腹に私は乳房に対する執着を胸に刻みました。

そして、それから1年もしないうちに私は乳がんになってしまいました。
乳がんになって最初に思ったことは、乳房温存手術にできるかどうかに拘りました。
私の乳がんの大きさは26mmありました。
30mm以下が温存の適用内だとすると、微妙な大きさです。

それでもアメリカで経験を積んだ外科部長の影響で病院自体が温存手術を励行する空気がありましたので、自然な流れで温存手術に向かって治療が始まりました。

温存手術の場合は抗がん剤で極力ガンを小さくさせた上で手術をするというのが主治医の説明でした。
その上に私はリンパ転移、肺転移があります。
抗がん剤で転移した部分を消滅させる以外はありません。

昨年9月から抗がん剤治療が始まりました。
現在は3週ごとの分子標的のハーセプチンで更に小さくしています。
ハーセプチンをするようになってからガンがある程度消えたと思っていましたが、4月時点での大きさが15mm、奥の部分に何となく触るものがあります。

毎日のように災いの固まりを触り、存在を確かめています。
その遅々とした僅かなる減少を期待しながら、ジリ貧する私に去来するのは手術後の彼女のとまどいの笑顔です。

乳房に対する少々の無念さを残しながら、何処となく戸惑う笑顔。

病状により、選択ができない全摘もあるでしょう。
ですが、彼女のように全摘か温存か自分で選択できる場合もあります。

全摘にして、転移を少なくする(当然取りきれない場合だってあります)。
温存にして、乳房を損失しない(大きな歪みはでるそうです)。

逃げ道のない、とても嫌な選択です。

戸惑う彼女の笑みが浮かびます。

【16人に1人…他の話】
16人に1人…1人目の話
16人に1人…2人目の話
16人に1人…3人目の話
16人に1人…4人目の話

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*** COMMENT ***

Re: なるほどです。

>たんぽぽの詩さん

 放射線、がんばっておられますね。
 放射線も実際のところ、体に良いわけはありませんが、
 この選択をしたのなら、前向きにやっていくしかないですね。

 私はいまだハーセプチンですよ。
 これは副作用がない分、効いているのかなあって気分にもなります。
 ただ、ハーセプチンは免疫療法と相性が良いと聞きましたので、
 これも前向きにやっていくしかないですね。
 
 私は今まで勉強不足で、今頃になって判ってきました。
 でも未だ判ってないですね。
 何でも経験してみて、そうなんだと思うことばかりです。

なるほどです。

私の友人も温存できるけど、全摘しました。
リンパには転移がありましたが、10年経ちましたね。

手術後、MRIやCTに写っていなくても、
顕微鏡で見ると微細ながん細胞があったとかで
追加手術、追加で全摘、放射線追加など
結構聞きました。

どっちがいいのかな?と思ってしまいました。
全摘出にして、しばらくしてから再建するのが
一番体に安全なのかもしれない?などと思ったこともあります。
そうすれば放射線もないですから・・。

腫瘍のサイズとかにもよりますけど・・
今、放射線をしていて、副作用の所に
10年後以降、他にがんが出来る場合があるとか
記載されているのを見るとちょっと萎えますねー。(^_^;)

私は部分なので、全摘だとどんな不便があるか
知らないからそう思うのかもしれませんが・・。

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2012/06/20(水) 19:13:30 | まとめwoネタ速neo
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